論語エンジェルの【誰でも君子になれる論語の現代語訳】

論語の原文を、何のひねりもなく素直に読んで、現代語に翻訳するよ!

問.素晴らしい肩書きに就いて、しっかりそれをやっている人は、よくできた人だから、その人の言う事は聞くべきだし、真似するべきだよね?

答.騙されない事! 肩書きに惑わされず、何しているかを観察しよう!
  粗悪な品でもブランド名を広く売り込めば、高額で販売できるのさ!

☆★☆ピックアップフレーズ☆★☆

ふはなにをなすかな
夫は何を爲すかな

肩書きより、実際に何をしたかを認識する事が大事。という意味。

正しいか間違いか、分別してくれる知識を人は求めるが、自分で見極めればいいだけ!

15-4(365)

孔子

何も為さずに、治者の肩書きを持つ者は、舜のような者と組む。

その者は何を為すかな?

恭しく自分自身が「正しく肩書きに就いています」とアピールする事、それのみだ。


≪状況の推測≫
肩書きのある者の言う事は絶対だという者へ、肩書きを肩書きらしくする者には注意するべきと助言中。

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検定や資格はともかく、ただの肩書きって本当にただの肩書きであって、結局のところ他者評価なのよね。
つまり肩書きは知識だという事。その人自身を直く見るには、そういうのに惑わされないようにしないとね!

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問.先駆者は口を揃えて「○○が正しい」とか自信ありげにい。その場合は、それは信頼した方が良いんだよね?

答.きっとその人はいろんな経験をした上で、そう確定したのでしょう!
  でも、同じ経験をしてない人は、話半分で聞くくらいが丁度良いよ!

☆★☆ピックアップフレーズ☆★☆

よしとするはち とくしゃ、すくなしや
由とするは知 德者、鮮なしや

頭でっかちな人間に徳のある人間は少ないのだ。という意味。

「○○がいい」などというセオリーは、思考のキッカケに過ぎない。定理としない事!

15-3(364)

孔子

知識を根拠にアレコレ考えたり、知識を動機にしたりする者がいるが、
そういった者たちの内で、自分の目で直く物事を見定められる者は、少ないのだ。


≪状況の推測≫
知識こそ不動とする者へ、自分の目の判断力では不安だから他者の作った知識をためたがるのだと助言中。

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知識にすがれば、まあまあ大きな間違いをしないですむし、問題が出ても知識のせいにできるし、ラクよね。
でも、ラクすると徳力が鍛えられないのよね。補助輪を棄てないと本当の意味で自転車に乗る事はできない!

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問.自分らしくが大事なら、学ぶ事も考える事も、全部自分一人でやらないとダメだよね?

答.本人が何を「自分らしい自然体」と捉えて優先しているかによるよ!
  押しつけはNGだけど、他力はNGではないんだ。サポートし合おう!

☆★☆ピックアップフレーズ☆★☆

よのいちにもってするはつらぬきゆく
予の一にもってするは貫きゆく

不測の事態に備える事を、他者の力にあやかってでも最優先にする。という意味。

自分らしくは大事だが、全てを自前で揃えなくても良い。ケースバイケースで柔軟に!

15-2(363)

孔子

賜(し:人名)だろう。

女が用いるのはゆとりを備える事である。

その為に行うのは、多くを学び概念を意識化していく者と、組む事だ。

 

〔子貢(しこう:人名)?〕

それは、自ら学び習っていくという、自分の自然体を追求する事とは反します。

 

孔子

そうではない。

女は男に比べれば、自ら学んで習う事に、重きを置いていない傾向にある。

あえてやりたくない事をする方が不自然だ。

「ゆとりを備えたい」という一つの事に関して、一貫して貫き通すのが自然体なのだ。


≪状況の推測≫
他人を頼って知識をためるのは不自然だという者へ、それよりも自然体でいる事の方が大事だと助言中。

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女も学ぶけどね。赤ん坊の機嫌とか、男には一生わからんだろうし。でもここで言う学びはそうじゃなくて、
男が興味の出やすい政治や哲学の分野の話と捉えたよ。「興味ないけど知っときたい」は尊重されるんだね!

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問.君子になるなら、誰とだって自分らしく、誰にだって平等に・・・で、あってる?

答.君子になりたい人は君子になりたいけど、小人でいたい人もいるよ!
  君子と小人はまあ仲良くはないよね。でも距離感を掴むコツはあるよ!

☆★☆ピックアップフレーズ☆★☆

くんしのこはきゅう
君子の固は窮

君子が状況に合わない譲れない概念に固執すると、困窮する。という意味。

ハッキリ言えるスキルは武器になる。それで傷つく人がいる事を含め状況確認する事。

15-1(362)

衞(えい:国名)の靈公(れいこう:人名)が、孔子にきいた。

〔靈公〕

陳(ちん:国名)という国はどうだ?

 

孔子

「どうぞ」と見世物台に提示された事だけ、味見するくらいに耳に入っている状態だ。

大勢でその国土を踏めば、未だにまだまだ学べる事があるでしょう。

 

 

次の日には、大勢で陳の国へ旅に出た。

しかし、陳の国では、食事を絶つ事態になった。

從者は動けなくなり、何もできない状態となった。

みんなの不満が露見した時に子路(しろ:人名)がいった。

子路

君子は、慣れない事や難しい事にも挑戦する。

だから、時には窮地に陥る事もあるぞ。

 

 

孔子

それはちょっと違う。

君子は、小人が苦痛を感じるものでも、好奇心や探究心でワクワクでき得るものだが、
あえて「苦しいけどやろう」「嫌だけど耐えよう」と心に反する事は、しないものだ。

 

君子が窮地に陥るのは、君子が保身を目的とした意固地になった時だ。

発言力の高い君子が、状況に合わない常識を捏造した時に、本人も周りも窮地に陥る。

 

ここでの保身は「普段通りの食事」か。

今は、残っている食料を独り占めにしたり、盗みをはたらいたりしてでも、
普段通りに腹いっぱい食べたいだろうが、
そのような満たされている状態、つまり保身を考えるから、不満が出るのだ。

今は食料が無い。悪事はしたくない。喧嘩も御免。最低ラインは生き延びる事。

それが徳で見据えられる道理だろう。

これら譲れないもの以外は、全て飾りである。

今はこういう状況なのだから、力を振り絞って対応して乗り越えるのが君子だ。

 

小人は上手に他人を流し他人に流されるから、君子のようにガツガツ活動しない。

「なるようになっただけ」なら、苦しさでさえ、ある程度は受け入れてしまうものだ。

そんな小人は、君子のせいで被った困窮を一片でも体験すると、贅沢をしたくなる。

奪われた分以上に奪い返そうとする。虐げられた分以上に虐げようとする。

 

つまり、君子が保身で「普段通りの食事」を求めたら、
その周りにいる小人は、「普段以上の食事」を求めるようになるのだ。

「これが出来たら完璧」というセオリーの、一個下あたりを狙う小人らしい衝動だ。

「普段通りの食事」の一個下は、「普段以上の食事」という事だ。

 

つまり、子路君は堂々とした君子かもしれないが、変な常識を作るでないぞ。

君子だけを連れてきたわけではなく、従者の中には小人もいる。

君子が保身で「君子は窮地でうろたえない」を求めたら、
その周りにいる小人は、そのねつ造された常識で窮地に陥り、
「君子じゃないからうろたえていい」とか「君子はうろたえない為に心を隠す」とか、
どちらか方面の、とにかく一個下を狙うという事だ。


≪状況の推測≫
自分をフォローしてくれた者へ、細かい所を現状を悪化させない為に指摘中。

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慍って漢字は久しぶり。これは、他者に対する不満の感情の意だね。こんな所に連れてきやがって的な話ね。
でも行ってみないとこんな国だとはわからなかったから、準備不足ではあるけど行ってよかったんだろうね。

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問.ゆとりを食いつぶしているわけではないんだけど、スキあらば強く出る人がいる。そのせいで良い環境がギスギスしてしまうんだけど、その場合も、杖で叩いて叱咤した方が良い?

答.自分らしさを探している最中は、焦ってやり過ぎてしまう事もあるよ!
  向上心があるなら過ちにはいずれ気付く。動機で見極めてあげてね!

☆★☆ピックアップフレーズ☆★☆

きゅうにあらずはえきしゃなり
求にあらずは益者なり

頑張っている人は必ずしも自分だけトクしようとしているわけではない。という意味。

子どもが幻想を追っていると咎めたくなるが、それが自分探しなら邪魔をしない事。

14-47(361)

闕(けつ:地名)の村出身の童子が、
子ども集団のリーダーとして他の子に命令を出している。

 

〔或るひと〕

彼は、身の丈以上の事をする存在といえるのでしょうかねぇ?

 

孔子

彼は目立つ事をしているから、傍から見ると直感的には、
抜きん出て得をしようとしているか、「出る杭は打たれる」の出る杭に見える。

しかし、理性的に行動を評価すると、違った視点がみえてくる。

 

彼は、居間で過ごす時に、大人や先人の場所ではなく、童子の席に座っているだろう。

また彼は、組んでいる先生とともに行動し、手伝いそしてそこから学んでいるだろう。

つまり「子どもにできる事」や「子どもがするべき事」を、ないがしろにしていない。

童子同士でどうするかは、ルールが定まっていない部分であり、
ルールが既に決まっている先人の集団に乱れを作ろうとしているわけではないのだ。

 

結果的に、背伸びをしているか、身の丈以上の事をしているように見えたとしても、
少なくとも本人は、身の丈以上の存在になる事を求めていないだろう。

本人が満たされず欲しているのは、速く自分を成長させて完成させる事だろう。

 

つまり、自分より上を目指しているのではなく、速く自分を手に入れたいという事だ。

その動機は、悪い動機ではない。


≪状況の推測≫
後輩のしつけに頭を悩ます者へ、動機を見てあげてと助言中。

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現代でも、子どもが普通と違う事をしていたら、とりあえず足並み揃えさせるべきと考える大人は多いよね。
そういう大人は、子ども時代に強制されてしまったのかな。良い動機は抑圧しないように気をつけないとね。

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問.何も制限のない環境では、君子になるのが難しいのはもう理解した。でも、頑張って良い環境を用意しても、そのゆとりを食い潰してのさばってしまう人がいて、それが困る。どうやったら良い環境をそういう人から守れるかな?

答.まだ気持ちが切り替わってないんだね。軽く叩いて目を覚まさせよう!
  君子には誰でもなれるから、自主脱退は歓迎しても、追放はNGだよ!

☆★☆ピックアップフレーズ☆★☆

ぜはなすはせん
是は爲すは賊

良い環境を用意しても、それをゴッソリ無駄にする人がいる。という意味。

無防備に余っていたら、盗んだり無駄にする人が出てくる。そんな大人は修正しよう。

14-46(360)

原壤(げんじょう:人名)は、
野蛮人とされる民が攻めてきて、街を滅ぼすのを待っている。

 

孔子

幼い頃は、下っ端に甘んじ、経験を積んでも次世代に貢献せずにいた。

働き盛りの頃は、既に身に備わったもっているものを、絶対に伸ばさない事に徹する。

老いた今は、死なずに生を浪費している。

 

良しとしているセオリーは、盗賊のように価値もわからぬ宝を盗んで無駄にする事だ。

こういうやからには、杖で脛を叩くものだ。


≪状況の推測≫
我が強く破壊願望を持った隠者気質の者へ、カツを入れ中。

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有能な偉人が一人いると、必ず落ちる所まで落ちた親近者がいるものだよね。この人は孔子さんの被害者ね。
もしくはこの人を見て孔子さんは君子になったのかも? 無志者であって無能じゃないから怒ってるのよね。

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