論語エンジェルの【誰でも君子になれる論語の現代語訳】

論語の原文を、何のひねりもなく素直に読んで、現代語に翻訳するよ!

問.例えば、国政で一時的な必要悪を実施して、正しくないものを根絶したら、すぐに正しい国になる?

答.部屋の掃除ならそれでいいけど、人間は成長するからそれはNGだよ!
  人は正しい環境に居たいのではなく正しい環境を自分で作りたいのさ!

☆★☆ピックアップフレーズ☆★☆

しがほっするはぜんそしてたみのぜんや
子が欲するは善そして民の善や

発達段階の人間が欲するのは、正しい対話方法と、民同士の正しい対話。という意味。

素晴らし環境を用意される事より、自分でそれを実践する為の見本が欲しいという事。

12-18(281)

〔季康子(きこうし:人名)〕

政治が正しければ、民同士の関わり合いも正しくなり、人そのものも正しくなる。

このような理論上の流れがある事はわかった。

 

その上での質問がある。

人が正しくあればいいというのなら、例えば、
正しい道筋にちゃんと就いた上でだが、正しい人以外を処刑してしまうとする。

こうすれば、残った人は全員正しい人になる。

こういった事は、孔子さんにとってはどういう事になる?

 

孔子

向上心のある者は、世の中がどうなっているかを鋭く観察するので、
政治的にもちいられた「処刑して亡き者とする」という手段を、ラーニングする。

一時的に国内が正しいとされる状態になっても、
正しくない手段を使えば、後世へとそれが残り続けていく。

 

向上心のある者が欲するのは、善、つまり、よしとされる事の見本であり、
そして、民自身が善を実践できるようになる事だ。

 

自らを律して向上する君子が何かをする時、物事を曇りなき眼で直くみる上では、
「こういう流れをつくればいいんだ」と、まるで風のように働きかけている。

そうではない小人が何かをする時、物事を曇りなき眼で直くみる上では、

「こういう流れに乗ればいいんだ」と、まるでたなびく草のように受け止めている。

つまり、どんな人であろうと、自発的に自分で何かをやろうとするのだ。

 

君子は、一時的な必要悪による政策でも、自発的にラーニングしてそれを広めていく。

小人は、国政によっても君子の働きかけによっても、処刑する事を保持し続けていく。

結果を整える事より、手段が正しさの見本となるかが、大事なポイントとなる。

 

≪状況の推測≫
正しい環境をバッチリ用意すればそれに馴染んで誰もが正しくなるかを問う者へ、手本が必要だと助言中。

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正しくない者に罰を与えるのは、淘汰させる目的ではなく、内省するキッカケを与えるスタンスって事だね。
ジェノサイドが悪い見本になるっていうより、見本を見せない事が好ましくない事だと解釈するべき章だね。

白文

季康子問政於孔子

殺無道以就有道

何如

 

孔子對曰

子爲政焉用殺

子欲善而民善矣

 

君子之德風

小人之德草

草上之風必偃

書き下し文

季康子(きこうし:人名)問うは孔子においての政を曰く

如くは

殺する無道もってするは、就く有道

何の如く

 

孔子對曰く

子が爲すは政の焉の用の殺

子が欲するは善そして民の善や

 

君子がしゆく德は風

小人がしゆく德は草

草の上をしゆく風は必ず偃