論語エンジェルの【誰でも君子になれる論語の現代語訳】

論語の原文を、何のひねりもなく素直に読んで、現代語に翻訳するよ!

問.君子になるなら、誰とだって自分らしく、誰にだって平等に・・・で、あってる?

答.君子になりたい人は君子になりたいけど、小人でいたい人もいるよ!
  君子と小人はまあ仲良くはないよね。でも距離感を掴むコツはあるよ!

☆★☆ピックアップフレーズ☆★☆

くんしのこはきゅう
君子の固は窮

君子が状況に合わない譲れない概念に固執すると、困窮する。という意味。

ハッキリ言えるスキルは武器になる。それで傷つく人がいる事を含め状況確認する事。

15-1(362)

衞(えい:国名)の靈公(れいこう:人名)が、孔子にきいた。

〔靈公〕

陳(ちん:国名)という国はどうだ?

 

孔子

「どうぞ」と見世物台に提示された事だけ、味見するくらいに耳に入っている状態だ。

大勢でその国土を踏めば、未だにまだまだ学べる事があるでしょう。

 

 

次の日には、大勢で陳の国へ旅に出た。

しかし、陳の国では、食事を絶つ事態になった。

從者は動けなくなり、何もできない状態となった。

みんなの不満が露見した時に子路(しろ:人名)がいった。

子路

君子は、慣れない事や難しい事にも挑戦する。

だから、時には窮地に陥る事もあるぞ。

 

 

孔子

それはちょっと違う。

君子は、小人が苦痛を感じるものでも、好奇心や探究心でワクワクでき得るものだが、
あえて「苦しいけどやろう」「嫌だけど耐えよう」と心に反する事は、しないものだ。

 

君子が窮地に陥るのは、君子が保身を目的とした意固地になった時だ。

発言力の高い君子が、状況に合わない常識を捏造した時に、本人も周りも窮地に陥る。

 

ここでの保身は「普段通りの食事」か。

今は、残っている食料を独り占めにしたり、盗みをはたらいたりしてでも、
普段通りに腹いっぱい食べたいだろうが、
そのような満たされている状態、つまり保身を考えるから、不満が出るのだ。

今は食料が無い。悪事はしたくない。喧嘩も御免。最低ラインは生き延びる事。

それが徳で見据えられる道理だろう。

これら譲れないもの以外は、全て飾りである。

今はこういう状況なのだから、力を振り絞って対応して乗り越えるのが君子だ。

 

小人は上手に他人を流し他人に流されるから、君子のようにガツガツ活動しない。

「なるようになっただけ」なら、苦しさでさえ、ある程度は受け入れてしまうものだ。

そんな小人は、君子のせいで被った困窮を一片でも体験すると、贅沢をしたくなる。

奪われた分以上に奪い返そうとする。虐げられた分以上に虐げようとする。

 

つまり、君子が保身で「普段通りの食事」を求めたら、
その周りにいる小人は、「普段以上の食事」を求めるようになるのだ。

「これが出来たら完璧」というセオリーの、一個下あたりを狙う小人らしい衝動だ。

「普段通りの食事」の一個下は、「普段以上の食事」という事だ。

 

つまり、子路君は堂々とした君子かもしれないが、変な常識を作るでないぞ。

君子だけを連れてきたわけではなく、従者の中には小人もいる。

君子が保身で「君子は窮地でうろたえない」を求めたら、
その周りにいる小人は、そのねつ造された常識で窮地に陥り、
「君子じゃないからうろたえていい」とか「君子はうろたえない為に心を隠す」とか、
どちらか方面の、とにかく一個下を狙うという事だ。


≪状況の推測≫
自分をフォローしてくれた者へ、細かい所を現状を悪化させない為に指摘中。

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慍って漢字は久しぶり。これは、他者に対する不満の感情の意だね。こんな所に連れてきやがって的な話ね。
でも行ってみないとこんな国だとはわからなかったから、準備不足ではあるけど行ってよかったんだろうね。

白文

衞靈公問陳於孔子

 

孔子對曰

俎豆之事則嘗聞之矣

軍旅之事未之學也

 

明日遂行

在陳絶糧

從者病莫能興

 

子路慍見曰

君子亦有窮乎

 

子曰

君子固窮

小人窮斯濫矣

書き下し文

衞(えい:国名)の靈公(れいこう:人名)、孔子において問うは陳(ちん:国名)

 

孔子對して曰く

俎豆しゆく事、すなわち嘗し聞きゆくや

軍旅をしゆく事、未にしゆくは學なり

 

明くる日に遂行

在るは陳で絶するは糧

從者は病し、莫した能いと興む

 

子路(しろ:人名)慍を見て曰く

君子、また有るは窮よ

 

子曰く

君子の固は窮

小人の窮の斯きは濫や