論語エンジェルの【誰でも君子になれる論語の現代語訳】

論語の原文を、何のひねりもなく素直に読んで、現代語に翻訳するよ!

問.優秀で上等といわれるものになる事を目指さなくていいなら、劣等で下等といわれるような今のままで良いって事?

答.未知の環境に憧れるのがNGなだけで、あえての堕落も同じくNGだよ!
  「劣を排他して優を迎える」じゃなくて「自己判断が大事」って事さ!

☆★☆ピックアップフレーズ☆★☆

なすはせいじん
爲すは成人

環境になじむ人格を持つように努力する事。という意味。

環境に従い能力を増やすのは良いが、環境に甘んじて平凡へと堕落する点には注意。

14-13(327)

子路(しろ:人名)〕

成人、つまり人格が完成するって何?

 

孔子

状況に従い流される事だ。

 

臧武仲(ぞうぶちゅう:人名)の丸暗記、公綽(こうしゃく:人名)の現状満足、

卞莊子(べんそうし:人名)の勇敢さ、冉求(ぜんきゅう:人名)の見栄えの良い芸。

彼らが仁なく流されている未熟者というわけではないが、彼らのそれらが参考になる。

 

仁に関しては、状況に流されると自分らしくいられなくなるから注意が必要だが、
成人に関しては、状況に従わないと環境適応できず自分の活かし方がわからなくなる。

 

彼らは気持ちを表層化し、それをもとに対人関係を調和させて、多様性を培っている。

完全に孤立した独人なら、披露し甲斐のある丸暗記などそもそもする気にならない。

完全に孤立した独人なら、自分の優秀な才能が埋もれている事に無関心でいられない。

完全に孤立した独人なら、他者のサポートなく無茶して命を危険にさらしたりしない。

完全に孤立した独人なら、皆が誉れるほどの芸を養おうとしたりはしない。

喜んでくれる誰かやサポートしてくれる誰かがいるから、彼らはそれを伸ばしてきた。

 

つまり、自分の居る環境で、自分がやりたいと思える事をしつつ、
その環境に足りない何かを長所として伸ばしてきて、そして安定するに至った。

 

これの別の表現が、「成人になる」という事だ。

 

 

孔子

後手に回って成人をしようとする人間が、必ず陥る状況がある。

利益を見たら、利益を得る為にやるかやらないか、自分の仁で決めればいいのに、
義務としてまずはそれをやらなければならないと思い込む。

危険を見たら、リスクがあってもやるからやないか、自分の仁で決めればいいのに、
そのリスクは運命として受けいれなければならないと思い込む。

 

周囲の人間にとって大事な存在として変わらずずっとそこにあり、
初心を忘れる事なく、
上がったり下がったりせず平らな人生を歩み、
凝り固まった知的概念の指示する通りに行動する。

 

これの別の表現も、「成人になる」という事だ。


≪状況の推測≫
人格を完成させる事、つまり成長の完成が重要だとする者へ、成長を終わらせる事には注意だと助言中。

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平和や安定って聞こえはいいけど成長が止まるっていうマイナスも抱えているのね。戦争よりはマシだけど。
成人の良さを伝えたいわけではないからこそ、下の「曰」は続きとしての孔子さんの言葉なのだとしたよ!

白文

子路問成人

 

子曰

臧武仲之知 公綽之不欲 卞莊子之勇 冉求之藝

文之以禮樂

亦可以爲成人矣

 

今之成人者 何必然

見利思義 見危授命

久要不忘平生之言

亦可以爲成人矣

書き下し文

子路(しろ:人名)問うは成人

 

子曰く

臧武仲(ぞうぶちゅう:人名)のしゆく知

公綽(こうしゃく:人名)のしゆく欲にあらず

卞莊子(べんそうし:人名)のしゆく勇

冉求(ぜんきゅう:人名)のしゆく藝

文をしゆくにもってするは禮樂

亦の可にもってするは爲すは成人や

 

曰く

今をしゆく成人者の、何の必の然

見る利に思うは義 見る危に授けるは命

 

要を久しく、忘れるにあらず、平たく生き、しゆくは言

亦の可にもってするは爲すは成人や