論語エンジェルの【誰でも君子になれる論語の現代語訳】

論語の原文を、何のひねりもなく素直に読んで、現代語に翻訳するよ!

問.君子はともかく、小人は自分で自分を幸せにできないんだから、国が強制的に学ばせてあげた方が、最大多数の最大幸福を達成できるんじゃない?

答.幸せは自分らしくいられるかどうかだから、強制は不幸が確定するよ!
  というか国家強制力のせいで小人になっているフシもあるっぽいよ!

☆★☆ピックアップフレーズ☆★☆

きょうをしゆく
教をしゆく

国民に適応力や満足感がなくなるのは、国政で教えを押し付けた結果だ。という意味。

ここでいう教えは、自己啓発や社会の一般教養等は含まず、価値観の押し付けに限る。

13-7(293)

孔子

自国である魯(ろ:国名)と、
隣国である衞(えい:国名)が行っている政治は、まるで兄弟のようだ。

 

 

孔子

衞の公子荊(こうしけい:人名)は、
自分の家のリビングに対して、こう言った。

まだ装飾品が少なかった時は、「一時的には合格だ」と。

ほどほどに増えてきた時は、「一時的には完成だ」と。

豊富に満ち足りた時は、「一時的には盛大だ」と。

つまり、彼はどれだけ家具を集めても、満足しきる事はできなかったのだ。

 

 

冉有(さいゆう:人名)を連れて衞にいった時の事。

孔子

この国の国民が、庶、つまり、
家の中のありとあらゆるものを活用して生活しているって、本当かな?

 

冉有

庶は既になくなっています。

これはその上に、何を加えた結果でしょうか?

 

孔子

富、つまり欲深さによってこうなる。

手持ちの財産を活用する能力がなくなったから、あれもこれもと物を欲しがるのだ。

 

冉有

富も既になくなっています。

満たされたくて欲張るというより、不足が過ぎるから集める事に必死な様子です。

これは富の上に、何を加えた結果でしょうか?

 

孔子

教、つまり上から先導される事によってこうなる。

理性的な適応力と、感性的な満足感の、両方がなくなったから、
教えられたセオリー以外に判断基準がなく、セオリー通りでないと安心できないのだ。


≪状況の推測≫
国民の育成が芳しくないと嘆く者へ、国政というものは国民に対して一方的になりやすいものだと助言中。

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かくも人類は洗脳されやすいのだった。インスピレーションや模範は、求学者には必須財産なんだけどね~。
現代とはかけ離れた内容の章だけど、悲観的にならず良い所取りすればいいんじゃないかな。人生自由だし!

白文

子曰

魯衞之政兄弟也

 

 

子謂

衞公子荊善居室

始有曰 苟合矣

少有曰 苟完矣

富有曰 苟美矣

 

 

子適衞冉有

子曰

庶矣哉

 

冉有

既庶矣

又何加焉

 

富之

 

既富矣

又何加焉

 

教之

書き下し文

子曰く

魯(ろ:国名)と衞(えい:国名)がしゆく政は兄弟なり

 

 

子、謂えるは

衞の公子荊(こうしけい:人名)の善の居室

始に有りて曰く 苟に合や

少に有りて曰く 苟に完や

富に有りて曰く 苟に美や

 

 

子、適する衞で冉有(さいゆう:人名)が僕

子曰く

庶や かな

 

冉有曰く

既の庶や

又は何を加えた焉

 

曰く

富をしゆく

 

曰く

既の富や

又は何を加えた焉

 

曰く

教をしゆく