論語エンジェルの【誰でも君子になれる論語の現代語訳】

論語の原文を、何のひねりもなく素直に読んで、現代語に翻訳するよ!

問.自分の内側にある仁を養ったら、どんなメリットがあるの?

答.物欲や空想的な概念への固執が無くなって、それらで悩まなくなるよ!
  仁者には褒められる為ではなく、ラクになる為になるものなのかもね!

☆★☆ピックアップフレーズ☆★☆

くんしはなにをわずらうよ きょうだいなしなり
君子は何を患うよ 兄弟なしなり

君子は実の兄弟がいない事より君子仲間がいない事にショックを覚える。という意味。

肩書きを大事にする人より、自分をかけがえのない存在としてくれる人の方が親密だ。

12-5(268)

〔司馬牛(しばぎゅう:人名)〕

気持ちの整理ができないまま、悩んでいる事があるんだ。

他人はみんな兄弟がいるのに、私は亡くして寂しく一人ぼっちになってしまっている。

こんなのって、おかしいよね?

 

〔子夏(しか:人名)〕

私は聞いた事があるぞ!

死と生は、命つまり、その者のやるべき事のうちに含まれてる。

富と貴は、天つまり、人間社会の全体のうちに含まれている。

つまり、命はその人のものだから、血縁者といえどもどうこうできる問題ではないし、
兄弟の有る無しは、性別や立場などと一緒で、社会における概念の一部に過ぎない、
という事だそうだ。

 

君子は、尊重されるべき個別の特徴を持っており、それが失われる事は無い。

各々が個別の特徴を持つといえども、君子であるからには共通点があり、
君子は皆、相手の自然体を失わせないように配慮ができて、自分の真心で行動できる。

 

同じ陸地に住む、似たような者同士は、まさしくみんな兄弟といえるだろう。

君子は何にショックを覚えるか。君子仲間、つまり君子の兄弟がいない事だろう。

 

≪状況の推測≫
物理的に兄弟がいない事を憂う者へ、なかば強引に君子になる事をお誘い中。

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四海の訳が後の時代に産まれる孟子の四端を指すのかという疑惑が晴れぬまま、普通に物理的な海としたよ。
要点は「君子憂いなし」だけだし。論ジェルは孟子への興味がないから、追及したい方がいたらよろしくね!

白文

司馬牛憂曰

人皆有兄弟 我獨亡

 

子夏曰

商聞之矣

死生有命 富貴在天

君子 敬而無失 與人恭而有禮

四海之内皆兄弟也

君子 何患乎 無兄弟也

書き下し文

司馬牛(しばぎゅう:人名)憂いで曰く

人、皆有るは兄弟 我は亡して獨

 

子夏(しか:人名)曰く

商(しょう:子夏の事)聞きゆくや

死生が有るは命 富貴が在るは天

君子は敬して、そして失いはなし 與むは人恭、そして有るは禮

四の海がしゆく内は皆兄弟なり

君子は何を患うよ 兄弟なしなり