論語エンジェルの【誰でも君子になれる論語の現代語訳】

論語の原文を、何のひねりもなく素直に読んで、現代語に翻訳するよ!

問.ゆとりを食いつぶしているわけではないんだけど、スキあらば強く出る人がいる。そのせいで良い環境がギスギスしてしまうんだけど、その場合も、杖で叩いて叱咤した方が良い?

答.自分らしさを探している最中は、焦ってやり過ぎてしまう事もあるよ!
  向上心があるなら過ちにはいずれ気付く。動機で見極めてあげてね!

☆★☆ピックアップフレーズ☆★☆

きゅうにあらずはえきしゃなり
求にあらずは益者なり

頑張っている人は必ずしも自分だけトクしようとしているわけではない。という意味。

子どもが幻想を追っていると咎めたくなるが、それが自分探しなら邪魔をしない事。

14-47(361)

闕(けつ:地名)の村出身の童子が、
子ども集団のリーダーとして他の子に命令を出している。

 

〔或るひと〕

彼は、身の丈以上の事をする存在といえるのでしょうかねぇ?

 

孔子

彼は目立つ事をしているから、傍から見ると直感的には、
抜きん出て得をしようとしているか、「出る杭は打たれる」の出る杭に見える。

しかし、理性的に行動を評価すると、違った視点がみえてくる。

 

彼は、居間で過ごす時に、大人や先人の場所ではなく、童子の席に座っているだろう。

また彼は、組んでいる先生とともに行動し、手伝いそしてそこから学んでいるだろう。

つまり「子どもにできる事」や「子どもがするべき事」を、ないがしろにしていない。

童子同士でどうするかは、ルールが定まっていない部分であり、
ルールが既に決まっている先人の集団に乱れを作ろうとしているわけではないのだ。

 

結果的に、背伸びをしているか、身の丈以上の事をしているように見えたとしても、
少なくとも本人は、身の丈以上の存在になる事を求めていないだろう。

本人が満たされず欲しているのは、速く自分を成長させて完成させる事だろう。

 

つまり、自分より上を目指しているのではなく、速く自分を手に入れたいという事だ。

その動機は、悪い動機ではない。


≪状況の推測≫
後輩のしつけに頭を悩ます者へ、動機を見てあげてと助言中。

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現代でも、子どもが普通と違う事をしていたら、とりあえず足並み揃えさせるべきと考える大人は多いよね。
そういう大人は、子ども時代に強制されてしまったのかな。良い動機は抑圧しないように気をつけないとね。

白文

闕黨童子將命

 

或問之曰

益者與

 

子曰

吾見其居於位也

見其與先生並行也

非求益者也

欲速成者也

書き下し文

闕(けつ:地名)の黨の童子が將して命ずる

 

或るひと問いをしゆき曰く

益者と與む

 

子曰く

見るはその位においての居なり

見るはその與みする先生と並する行なり

求にあらずは益者なり

欲するは速の成者なり